現代のベートーベン

「現代のベートーベン」を騙っていた男の真実が明るみになった。

俺はこのニュースに、あまり驚きはなかった。障害を売り物にして金やらなんやらを搾取していく奴らは、

いつの時代にもいるものだからだ。俺が関わってきた精神障害の分野でも、心の病気を装った犯罪者たちを、腐るほど見てきた。

 

今回の「現代のベートーベン」がやっていたことも、障害者ビジネスの一つと言えるし、俺からすると、生活保護の不正受給と同じだ。行政じゃない別のところ(一般の人々)から年金を受給していた、というだけの話。

こういう奴らがいるおかげで、本当に困っているひとが肩身の狭い思いをしたり、支援が行き届かないという事態に陥ったりしているのだから、悪質きわまりない。

 

ゴーストで作曲していた例の非常勤講師も、本人が言うように間違いなく「共犯者」だよな。だって不正受給のお手伝いをしていたようなもんだぜ? いいも悪いもねえし、今後、なんらかの責任は負ってしかるべきだろ。

この講師に音楽を習っていた生徒や、その保護者からは「素晴らしい先生です」という賞賛の声が相次いでいるらしく、世間では同情の声が強いみたいだ。そういう世間の風潮も、気味が悪いぜ。

この善悪を曖昧にする風潮こそが、不正受給や障害者ビジネスを生んでいるのにな。

 

それにしても! どこまでいってもひとの褌で勝負する、みたいな、せこい奴らが本当に増えた!

 

今の世の中、正々堂々ガチンコで勝負しているのは、スポーツ選手くらいじゃないかと思うぜ。スポーツの試合では、替え玉とかゴーストとか、絶対出来ないもんな。そのひとが身につけた技術は、そのひとのものでしかなく、見たり聞いたりして、簡単にパクれるものでもない。

一応、ドーピング問題なんてのはあるが、試合前のチェックは厳しいし、見つかったら、それこそ選手生命を絶たれる。一番厳しい世界で、身体張って勝負しているんだから、本当に清々しいぜ。

 

俺も清々しくありたいもんだが、今さらスポーツ選手にはなれないから、正々堂々生きていくためには、やっぱり「現場でやる!」これしかないな。

ちょうどソチオリンピック開催中ということもあり、そんなことを思ってしまった。