女々しい

「女々しい」という言葉があるが、

もはやこの言葉は、あまり正しくないな。

 

なぜなら近頃は、一本筋が通っていて、

なおかつ気合いの入った女のひとが多いからだ。

信念を持った女性というのは、本当に強い。

そういう女性がガンガン物事を進めているのを見ると、しびれるよな。

 

逆に、気合いの入った男には、

なかなか巡り会えなくなってきた。

 

とくに俺が「本気塾」などで携わってきた男は、

弱々しい、言い訳や屁理屈が多い、しつこい、すぐ泣く……

というのが多い。

 

まったく健康な身体をもちながら、

「働きたくない」「ラクしていい思いがしたい」一心で、

こそこそと悪さを繰り返している。

 

それでいて、家族など身内に対してだけは、

暴力を振るったり暴言を吐いたりするんだから、

情けないことこのうえない。

 

それこそ一般的には、

「女々しい奴だ」と評されてしまうような人間ばかりだ。

 

しかし俺の経験上、

この「女々しい」部分こそ、実は父親譲りだったりする。

 

父親は、本人のデタラメな生き方に対して、

思いっきり叱ったり、真剣に話し合ったりということが、

まったくできていない。

何かあると母親を矢面に立たせ、

裏では「お前の育て方が悪い」などチクチク文句を言い

その一方で、父親としての権威だけは、頑なに守ろうとする。

 

そしてそういう家族ほど、

母親は、かいがいしく……ある意味過剰なまでに、

夫や息子の世話を焼いてしまっている。

それが、男どもの「女々しさ」を、増長させているにも関わらず、だ。

 

俺は、問題を抱えたたくさんの家族を見てきて、

「子育てには犠牲がつきものだ」と、つくづく感じている。

 

自分の性格や気質とは異なるにしても、

子供に対してはどこかで、筋の通った、気合いの入った親の姿勢を見せなければならない。

「うちの親父とお袋を怒らせたら、大変なことになる」

という畏怖の念を、子供に抱かせるべきなのだ。

 

それを「男らしい」と言うべきか「女らしい」と言うべきか……

それはもはや、よく分からないのだが。