変わらないストイック

人間の本質的な部分は、

子供の頃から、おっさん、じいさんになるまで、

変わらないものなのかもしれない。

 

この間、学生時代の古い友人の集まりに顔を出したのだが、

久しぶりに会って「こいつはすげーな!」と思う奴がいた。

 

彼は、大学卒業後、アメリカに渡っていて、

いろいろ頑張っているらしいことは、たまに耳にしていた。

今回久しぶりにじっくり話を聞いたら、

今では海外に自分の会社までもって、

かなりの勢いで成長を続けている様子だった。

 

俺には「やっぱりなあ」という思いがあった。

 

学生時代の彼といえば、ストイックでまじめで、

何でもコツコツやるタイプだった。

親父さんが事業を成功させていたから、

実家は金には余裕があったはずだが、

身につけているものも言動も、いつも質素だった。

親にそう教育されているんだ、と言っていたな。

 

自分で億の金を動かすようになった今でも、

そういうところは、全然、変わっていない。

 

日本にいる間、泊まるところはビジネスホテルで、

新幹線は未だに自由席しか乗らないと言う。

えらそうな素振りも自慢話も、かけらもない。

 

一方で、俺が以前、仕事でアメリカに行ったことを話すと

「今度来るときは、必ず声をかけてくれよ!

俺が全部、面倒みさせてもらうよ!」

なんて、太っ腹なことを言ってくれる。

 

彼のそういう姿を見ていると、

昔から変わらないストイックさで、

自分を鍛えつづけてきたのだろうと、容易に想像できる。

 

「内面と筋肉だけは、鍛えつづけなきゃな」

という彼の言葉には、素直にうなずけるものがあった。

内面の成長は当たり前だけど、

身体にガタが来てしまえば、仕事もままならなくなるし、

よけいな金を遣うことにもなる。

 

俺は彼みたいに毎日ジョギングを頑張れるタイプではないので、

「ますます現場で頑張るしかねーな!」と決めた。

 

そんな俺をみて彼は、

「たけしは昔から、ちっとも変わらないなあ!」

と言って、笑っていた! 楽しい夜だった!