ひとは長い目で

ひとを見る目は養ってきたつもりだが、

見誤ることだって、もちろんある。

 

いいひとだなあ、真面目なひとだなあ、ちゃんとしているなあ、と

どっぷり信頼していたのに、

実はものすごく腹黒くて裏のある人間だった……

なんてことは、よくあることだ。

 

若いときよりは、早い段階で気付けるようにはなったけど、

すてきだと思っていたひとの、裏の姿を見たときには、

さすがの俺だって毎回、ちょっとはへこむ。

 

ひとの本当の姿なんて、そう簡単に分かるもんじゃない。

ひとは長い目で見ていかなければならないな。

 

でも逆に、とてつもなく悪いことばかりしてきた人間が、

別人のようにマトモな人間に変わることだってある。

10年単位の時間がかかっているけれど。

 

そういう楽しいこともあるから、俺は、

腹黒い人間に負けて、いつまでも萎えているようなことはしたくない! と思う。

どうせなら、そういうときほどニコニコ笑って、

よっしゃあやったるぜ! と、自分に気合いをかけているんだな。