こんなところにも格差社会

格差社会という言葉が叫ばれて久しいが、

精神保健の分野でも、それは同じだ。

 

国(厚労省)は、「家族の負担を減らす」とかなんとか綺麗事を言い、

理論上はとても素晴らしい施策を打ち出してはいるが、

それを実施するかどうかは、あくまでも各自治体にかかっていて、

予算にだって限界があり、あれもこれもというわけにはいかない。

 

結果として、昨日のブログはないが、精神保健福祉法もなんのその、

自治体独自のルールでもって運営がなされているところもある。

 

しかし当事者である問題を抱えている家族に、その実態は伝わっていない。

だから、家族はセオリー通りに、

保健所や精神保健福祉保健センターに相談にいくしかないのだが、

行ったところで「110番通報」と言われるだけ、

そして、事件が起きるのを待つだけ、という事態に陥っている。

 

もちろん中には、精一杯の対応をしている保健所の職員もいると思う。

でもそういうひとは、ごくごく一部でしかないし、

おそらく所内では、他の職員から「いつも面倒を持ち込みやがって」と煙たがられ、

異端児扱いされているのではないか、とすら思う。

 

もはや保健所や医療機関が積極的に受け入れるのは、

おとなしくて、病識もあって、問題行動もとらなくて、

他人の言うことをきちんと聞ける患者だけである。

 

俺からしたら、それが病気か!? ってなもんだ。

 

それ以外の家族は、全部、家族でやるしかないわけだが、

金があれば、民間の会社に頼むという選択肢もある。

 

一方で、行政の支援を受けなければならないほどの貧困家庭や、

まったく身寄りのない場合には、行政が動いてくれることもある。

 

もっとも困るのは、自分たちが生活するだけの金はあるが、

大金を払ってまで業者を使ったり、施設に入所させたりする余裕はない

という、中流の家庭である。

 

上流、中流、下流で、しっかり格差が形成されているのだ。

 

もう一つ、格差といえば、自治体による対応の差も、非常に大きい。

家族の立場に立って、多少なりとも動いてくれる自治体もあれば、

相談ですら、門前払いをかます自治体もある。

 

これは、その土地の地域性というものもあるかと思うが、

住む場所によって、運命が変わるようなものだ。

 

今は、実家を継ぐという感覚は薄れてきているから、

就職や結婚を機に、どこに住むかという選択をすることになる。

 

よくある住みたい街ランキングなんていうものでは、

「おしゃれ」とか、「買い物に便利」とか、

そういう目先のことばかり、ピックアップされるけど、

行政サービスもよく調べて決めておけよ、と言いたい。

 

俺の視点から見たときには、

「ここに住んでいたら、俺に頼まない限り、

家族の問題は解決できねーな、絶対!!」

と断言できちゃう地域が、いっぱいあるぞ。

 

どこの地域かは、さすがにブログには書けないけどな!