下から上へ上へ

「下から上へ上へ」

これは、俺の好きな言葉の一つだ。

座右の銘と言ってもいいかもしれない。

 

どうせやるならドン底から。

じわじわっと攻めていく。

 

しかし世の中を見渡すと、「上から下へ下へ」

を目指したがるひとのほうが、多いようだ。

 

スタートからいい位置につきたい。

ドン底なんて味わいたくない。

上から下に、モノを言いたい。

 

いい学校、いい会社を目指したがるのは、

その現れではないだろうか。

 

でも「上から下へ下へ」の生き方って、

実は案外、リスキーなのだ。

 

下からじわじわっと進めていけば、

たとえ失敗しても、落ちる幅も小さいし、

周りもさほど気にしない。

 

でも、上から…しかもその位置が高ければ高いほど、

落ちるときは、ぴゅーんと落ちる。

そして目立つ。

何も悪いことをしていなくても

「何かやったんだろう」と思われてしまう。

 

これって、家族の問題解決にも言えることだ。

 

最近は本当に、自分たちで汗をかいて頑張る前から、

上から目線で「困っているんだよね」「何とかしてくれや」

と、やってくる家族が多い。

 

俺はフル民間の人間だから、「冗談じゃないよ」って言えるけど、

行政機関やら医療機関のひとたちは、はっきり言えない分、

キツイだろうなあと思うこともある。

 

はっきりお断りはしなくても、

曖昧な言い方で遠ざけることも、あるのではないか。

 

だから、専門家たちに、親身になってもらいたい、

協力してもらいたいと思うなら、

まずは家族が「下から上へ上へ」

 

……へりくだってぺこぺこするって意味じゃなくて、

できるところの努力から始める。

対応してくれる方々への感謝を忘れない。

 

そういう、基本的な精神があるかないかで、

その後の進み方は、大きく違ってくると思うぞ。