加山先生の6巻レビュー到着!


 

フリーライター加山竜司先生から、コミックス6巻のレビューを頂戴しました。

作品として「フェイズ2」に突入した『「子供を殺してください」という親たち』6巻

http://mangayomu.biz/archives/21111961.html

加山先生のレビューを読むことは、もはや新刊発売後の密かな楽しみになっている。俺はふだん、「〇〇と△△だから、◎◎」というような数学的な思考をするのが好きなのだが、加山先生もそのタイプなのではないだろうか。プロットの段階では無意識で作っている計算式を、加山先生に「ピタッ」と当てられる快感が、毎回ある。

今回唸ったのは、「#26:【ケース11】依頼にならなかった家族たち -聖徳太子の一万円札-」に関する、以下の指摘である。

さらに言えば、野上の「末永く面倒をみてほしい」という言葉は、端的に言ってしまえば「2億円で息子を買い取ってくれ」であり、もっと突っ込むなら「この金で息子を殺してくれ(医者も抱き込み済みだ)」を意味している。つまり、ほかのケースでの依頼者とはまったく異なった文脈で「子供を殺してくれ」と言っているのだ。野上もまた『「子供を殺してください」という親』のひとりなのだが、野上の場合は“言外に示唆された”「殺人の依頼」にほかならない。

 

これはまさにその通りで、このとき依頼を請けていたら(金を受け取っていたら)最後、俺も生涯「アッチ側」の人間として生きることになっただろう。俺の仕事は「当事者」との人間関係が基本だが、「家族」という集団に介入するからこそ、それぞれの思惑を見極めなければならない。

ときどき、「親だって悪気があるわけじゃない」「(当事者が)かわいそう」という意見をもらうのだが、そんなキレイゴトばかりではいかないのが現場の仕事である。現場の人間が一時的な感情で動いてしまえば、スタッフや(移送先の)医療関係者などにも火の粉が飛ぶことになる。本人にとっても悲惨な結末になる。悔しさや虚しさを抱えつつ、現場から潔く退散する(依頼を断る)覚悟もまた、必要なのだ。

ちなみに、【ケース11】は、我ながら渾身の一作である。実はプロット完成時には、連載4回分くらいの長さがあったのだが、担当編集者と鈴木先生の意向であっさり1回にまとめられた。そのときは「なにぃ!」と編集者に文句を言ったのだが、結果的に切れ味の良い短編に仕上がったと思う。

コミックス第6巻も、よろしくお願いいたします!