時代を狂わす40代①

俺は1968年生まれの45歳であるが、

この、今現在40代の奴らは、「一番ずるい世代」だと、断言する!

 

俺は今まで、仕事を通じていろんな世代、業種の人と知り合い、

ときには一緒に仕事をしてきた。

俺は自分より上の世代、下の世代の人とはわりと気が合うのだが、

同世代の40代の人間とだけは、合わないことが多かった。

というより、俺は同世代の人間から、めちゃくちゃ嫌われる。

会っても目も合わせてもらえないくらいだ(笑)

 

最近になってようやく、

向こうから見ると、俺みたいな人間って脅威なんだな…

ってことが、よくわかってきた。

 

この40代世代というのは、とにかく「脳みそに汗をかいてない」のだ。

たとえば、会社の業績が悪くて金がなくなった…というときには、

どうやって金を作るか、おもしろいモノ(売れるモノ)を作るか、

凡人ほど脳みそに汗かいて、必死こいて考えなきゃいけないよな?

だけどそういうときに、この40代世代が何をしだすか。

「ひたすら金を遣わない」ってことをやりだすんだよ。

 

業績をあげるためのアイデアも思いつかないほどのアホ、ということもあるし、

必死に自分を追い込んで考えることを、放棄もしている。

 

だから、経費を削り、残業を禁止し、下請けを安くこきつかい…

そうやって「今期は赤字を出しませんでした」と胸を張る。

組織をそんな環境にしてしまったら、

おもしろいモノ、売れるモノなんて出来るはずないし、

部下の士気だって下がる一方なのは、小学生でもわかることなのにな。

 

人にはそれぞれ能力や役割があるのだから、別にアホでもいいのだ。

アホはアホらしく、能力のある人間に教えを請いたり、

できる奴や、やる気のある若い奴をバックアップすればいいだけのことだ。

だけどこの40代世代っていうのは、それもやらない。

 

なぜなら能力がある人間ほど、ときに無謀なこともするし、

キチガイじみた部分もあって、扱いにくい。

この40代世代は、「自分がやりやすいようにやりたい」、

「自分がミスを被らなくてすむように」ということしか頭にないから、

そういう人間(=能力のある人間)に対しては、抑えつけ、排除しようとするわけだ。

 

若い奴らに対してもそうだ。

何かといえば「コンプライアンス」だ「危機管理」だと叫び、

ぎゅうぎゅうの枠にはめて、思い切った仕事をさせない。

ようは「自分の扱いやすい部下でいてね」と言っているのである。

そのくせ、業績が悪い、ミスがあった、となったときには、

小理屈を並べてねちねちと部下をいじめる。

俺の知っている若い奴らなんかは、

「あんなにねちねち言われるくらいなら、ガツンと一発、殴られたほうがマシです」

と言って嘆いているくらいだ。

 

それでいて上の人間には、指紋がなくなるんじゃないかってくらい手をこすりあわせ、

ペコペコペコペコ…、出世など己の利益のためだけに、取り入っている。

その姿を見かけるたびに、俺は小僧寿しの看板を思い出しちゃうくらいだぜ。

部下のケツ一つ拭いてやれない、拭く気すらない人間が、

役員の椅子を目指しているなんて、冗談もほどほどにしてほしいよなあ。

 

俺はたいがいデタラメな人間だから、そんな上司がいたら

「じゃあ、お前がやれよ」「お前が結果出せよ」と言ってやるところだ。

だけど、「会社のために、上司のために頑張らなきゃ」と思ってしまうような、

純粋で真面目な若い奴ほど、鬱屈した気持ちを抱えて働いていたり、

ひどいときには追い込まれたあげく、うつ病になったりしている。

40代世代が、20代、30代の世界を真っ暗にしているのだ。

 

この40代世代の思い上がりには、凄まじいものがある。

最高潮の万能感を持ってしまっていると言ってもいい。

とくに六大学出身で、そこそこの企業にでも勤めていようものなら、

「自分は天才だ」「なんでも手に入れる権利がある」

とでも言いたげな振る舞い、生き様をしている。

 

俺もそうだが、この世代は、景気が上向きの時代に幼少期を過ごしている。

父親はサラリーマン、母親は家で専業主婦という家庭が多く、

昔に比べて、親が汗水たらして働く姿を直接目にする機会はずっと減った。

勉強にしても、ちょっと暗記が得意だったら、六大学くらいは簡単に入学できた。

そして学生時代には、あのアホみたいなバブル期を経験している。

就職も大量採用の売り手市場で、今の若い人には想像もつかないだろうけど、

企業は学生を囲い込むために、豪華な飯をさんざん食わせたり、旅行に連れて行ったり、

そういう時代だったんだよ。

40代世代が、根拠のない万能感を持ってしまうのも、わかるだろう。

 

なにより最悪なのは、この世代は第二次ベビーブームの生まれで、

死ぬほど数が多いんである。

組織なんかでは、こいつらが大人数で幅をきかせているせいで、

20代、30代の出来る奴らが、頭打ちになっているのだ。

 

俺が恐ろしいと思うのは、この世代は今や、自分の子育てもそうだし、

組織でも採用面接なんかを担当する立場になっていて、

ようは完全に「育てる」側にまわっているのである。

先々のことを考えると、恐ろしくなるのは俺だけではないはずだ。

 

もちろん全員がこの調子だと言いたいわけではない。

とくに、組織に属さず、己の身一つで頑張っているような人や、

組織にいても、現場の最前線で体と心を張って働いているような人は、

「脳みそに汗をかいているなあ」という重みのある顔つきをしているし、

他人に対して、本当の優しさをもっている。

 

俺は組織に属しているわけではないが、

能力のある人、やる気のある人、心のある人、そういう人たちが、

つまらない40代世代の人間に虐げられ、つぶされているのを見るのは、

いい加減、我慢がならないのである!

 

俺は自戒の念もこめて、同世代の奴らに言いたい。

俺たちがとことん、脳みそに汗をかいて、心を張って頑張らない限り、

20代、30代、そしてもっと下の世代の奴らに、

明るい光を見せてやることはできないのだ!!