毎日新聞経済プレミア 俺から身をひく

 

今年の7月から、毎日新聞経済プレミアで連載を始めたが、早くも終了することにした。経済プレミアは有料記事であり、俺の連載を読むために登録をしてくれた方もいると思うので、経緯を報告する。

 

担当編集者の田中学さんと出会ったのは、二年前にさかのぼる。『「子供を殺してください」という親たち (新潮文庫)』について、俺は学さんとライターさんからインタビューを受け、記事が2015年12月8日10日に掲載された。

続いて今年、『子供の死を祈る親たち (新潮文庫)』の出版後、今度は学さん自身がインタビュー・執筆をしてくれて、学さんの署名入りの記事が、4月25日27日に掲載された。

 

この記事に関しては、先日のブログにも書いたとおり、斎藤がツイッター上で俺を誹謗中傷し、毎日新聞に物申した。

 

このことは経済プレミアの編集部も把握していたはずだが、6月、学さんがわざわざ俺の事務所までやってきて、月一回での連載を申し入れられた。過去2回のインタビュー記事で自著の紹介をしてもらったこともあり、学さんには恩義がある。俺は快くそのオファーを受けた。学さんは「まずは一年くらいで」とまで言ってくれた。

 

俺は斎藤の上記ツイートの件につき、7月12日付けで弁護士を通じて通知書を送った。

 

そして7月18日、連載第1回の記事が掲載されたが、斎藤は、あたかもフォロワーからの質問に答える体裁で、以下のツイートをした。

 

ちょうどこのとき、俺と学さんは、連載第2回の件でやりとりをしていた(8月はお盆休みもあることから、前倒しで進行していた)。斎藤の批判の矛先がまた毎日新聞にも向いた。俺はすぐに学さんと連絡をとったが、メディアの報道や発信において、賛否両論あるのは当たり前なので、この時点では学さんもさほど動揺していなかった。

 

ところが8月初旬、夏休み中であるはずの学さんから連絡が入った。斎藤の件が編集部で大問題になり、休み中にもかかわらず会社に呼び出されたという。結局、第2回の記事は掲載されたが、818日、学さんから連載中止が伝えられた。

 

編集部としては「今回で終わり」という方針だったようだが、そこは学さんが頑張り、「3 回目までは」と言ってくれた。

 

そもそも学さんが連載をオファーしてきたのは、俺の著書をきっかけに、精神疾患(疑い含む)に起因する問題が、家族間の殺傷事件にまで及んでいることを知り、「この問題をひろく世の中に知ってもらって、考えていかなければならない」と感じたことにある。それは俺の「志」でもあるのだが、学さんも同じように思ってくれたのだ。

 

学さん自身にも家族があることから、他人事とは決して思えないと言っていた。現代における家族とは何か。この時代に、親と子供がどう向き合うべきか。今後の連載では、そういったことにも踏みこんでいく予定だった。

 

斎藤が言うような、日本の精神医療の収容主義や身体拘束を賞賛する意図なんか、少なくとも学さんにも俺にもみじんもない。己のご都合主義に基づく偏見や差別の目で世の中を見ているのは、斎藤、お前だ。

 

だいたい斎藤は、7月26日のツイートにおいて、以下の発信もしている。

 

斎藤のツイートの流れを読めば、「この手の業者」が俺を指すことは、アホでも分かる。「裏家業」とまで中傷しておいて、斎藤は俺からの質問(通知書)になんと回答するつもりか。俺は待っていた。もちろん、ひと言でも謝罪の言葉があれば、俺は男らしく水に流すつもりだった。

 

そして斎藤からの回答は、以下のとおりだ(詳細は先日のブログにも書いた)。ご丁寧に、この回答書においても、斎藤は毎日新聞を非難している。

ご指摘のツイッターでの発言は、毎日新聞の記事の公正さを批判したものであり、押川剛氏や株式会社トキワ精神保健事務所を批判する意図はありません。発言において、両者を名指ししていないことは、明瞭かと存じます。

「ひきこもり」に関しては、近年、支援団体と称するものの活動が、テレビ等のマスコミに取上げられています。例えば、昨年4月には、ビートたけしのTVタックルの番組内で「スネかじられる親の悲痛の叫び」と題された特集が組まれました。

しかし、マスコミの取上げ方は、あたかも、ひきこもりの本人を加害者、その家族を被害者のように位置付けているものが多く、公正な内容になっているとは言い難いのが実情です。その放送内容によって、精神的に傷つけられる当事者も出ているという事実もあります。そして、このような放送に対しては、偏った放送内容の是正を求める声明も出されています。

しかるに、今回の毎日新聞の記事は、このような批判的意見があるにもかかわらず、その点には触れておらず、その報道姿勢は公正とは言えません。

そこで、ツイッターでの発言となったものです。

貴殿らは、当方の発言を、貴殿らに対する発言と理解されているようですが、冒頭に述べたように、そのような意図はありませんので、この点、誤解なきようお願いします。

なお、質問(1)(2)は上記の誤解を前提とした質問と思われますので、回答の要はないものと思料します。

 

ツイッターでの誹謗中傷に始まり、回答書の内容、連載中止。いずれをみても、斎藤の言動が毎日新聞(経済プレミア編集部)に圧力をかけた。俺は、学さんの立場を思った。社内ではさぞかし、針の筵に座る気持ちだったことだろう。

 

おい、斎藤、俺が頭に来ているのは、連載中止のことじゃない。そんなもんは、全部まとめてお前にくれてやる。俺が頭に来ているのはな、お前の「潰し方」が、「人を潰す」やり方だからだ。人を自殺においやるほどのいじめと同じや。今回の件でいえば、お前はまだ若い担当編集者を潰したんだ。

 

俺は家族の問題に携わるとき、常に「社会的介入者」、平場に自分を置いている。自分の立場が上とか下とか、強いとか弱いとか、そんなことは考えたこともない。ただ、病気で弱っている人、行き場のない家族がそこにいるのだから、俺にできることをする。それだけのことだ。

 

学さんに対しても同じだ。短い期間ではあったが、俺の書くものに対して真摯に向き合ってくれた。その仕事ぶりを見て俺は学さんを「人間」として信頼した。ただ、押川剛という名前に永久就職した俺と違って、会社に所属している学さんには、立場やしがらみがある。斎藤、お前はそのしがらみを利用して、狡猾に「人間を潰した」。

 

俺に言いたいことがあるのなら、回答書で答えを出せただろう。それを、「毎日新聞の記事の公正さを批判した」だと? 人をバカにするのもいい加減にしろ。毎日新聞のせいにして逃げとるだけやないか。まがりなりも大学教授、教育者である人間がとる態度か。何が「対話」だ。

 

こら斎藤。俺はどんなに潰しをかけられても、絶対に潰れんぞ。お前がふっかけてきた喧嘩や。きっちりカタはつける。俺は、お前みたいな狡猾なやり方はせん。今後の「カタ」の経緯は、ブログ上で丸出しにする。判断は、読者の皆さんに下してもらう。それが本当の「公正」だ。

 

経済プレミアの連載を待ってくれていた方には申し訳ないが、2回でおしまいだ。上司から潰しにかけられている最中でも、学さんは男を張って、第2回には、他社出版の『「子供を殺してください」という親たち 1 (BUNCH COMICS)』(コミックス)の書影を載せ、周知してくれた。

 

まだ若い学さんをもうこれ以上、苦しめるわけにいかない。俺は潔く身をひく。学さんとも仕事上の付き合いはなくなる。だが恩義は忘れない。俺にできることがあったら、いつでも応援する。編集部の上の人間も、もうこれ以上、学さんにガタガタ言いなさんなよ。俺は滅多なことでは人を褒めないが、学さんはいい編集者だったよ。

 

毎日新聞さん、このたびはたいへんお世話になりました。心から御礼申し上げます。

 

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