脱法ハーブは殺人ハーブ

 

 

脱法ハーブを使用した上での事故が相次いでいる。

 

今年に入ってからのニュースをざっと探しただけでも、これだけ出てくる。

 

・2月4日 36歳の男性が、福岡・天神の交差点で暴走 15人もの重軽傷者

 

・3月 31歳の男性が、名古屋市南区で追突事故

※車内から脱法ハーブ様の植物片が見つかり、鑑定中の4月下旬、男は再び同じような追突事故を起こしている

 

・5月3日、24歳の男性が、渋谷区神南の交差点で暴走 女性が意識不明の重体

 

・5月5日 30歳の男性が、愛知県春日井市でガードレールに激突 男性は重傷

 

警察庁によると、脱法ハーブの吸引が原因で危険運転致傷や道交法違反などの疑いで摘発された人は、

全国で、2011年がゼロ、12年が19人、13年が40人と急増している。

 

植物片がないと摘発できないため、この数字は氷山の一角だろう。

 

また、池袋の暴走事故の陰に隠れた感があるが、こんな事故も起きている。

 

 

これだけ事故が起き、人が亡くなってもいる。

もはや “脱法ハーブ” という名前がおかしい。

 

国家公安委員長は26日の記者会見で、「『脱法』は誤解を招く。ネーミングも含めて

対策や規制の在り方を厚生労働相と議論したい」と、呼称変更を検討する意向を示している。

 

たしかに、法律で取り締まれない成分でできているという理由で、

脱法、合法などと呼ばれているが、混ぜ物とされる化学物質の中には、

覚せい剤に似た成分のものもあるという。

海外では、日本の規制の網にかからない化学物質が次々と売り出され、

規制がかかれば、構造を少し変えたものが登場する。

 

つまり、“脱法ハーブ” と呼ばれるもののほとんどが、

現実には、何が混ぜられているか、分からないのである。

 

先日TBSの特番『激撮!密着警察24時!』でも、

脱法ハーブを吸引していた人間が手足を痙攣させるなどし、凄まじく壮絶なシーンがあった。

あの番組を観た読者もいるだろうが、どうみても劇薬である。

 

厚労省は、合法ハーブ等と称して販売される薬物(いわゆる脱法ドラッグ)のうち、

1300物質以上を、薬事法に基づき「指定薬物」として規制し、

薬事法により、指定薬物の輸入、製造、販売、授与、

販売もしくは授与目的での貯蔵又は陳列を禁止してきた。

今年の4月からはそれに加えて、所持、使用も禁止されている。

 

というわけで、“殺人ハーブ” とでも名前を変えればいい。

そうでもしないと、「脱法だし、大丈夫でしょ」と手を出すようなアホたれは、いなくならないのだ。

 

そういえば昔、飲酒運転の罰則について、

あるベテランの捜査官がこんなことを言っていた。

 

「飲酒運転を根絶させたいのなら、

即懲役ぐらいのことはしないといけないんだよ。

だいたい、実践を知らない人間が作るものは、

現実に『フィット』しないんだよな」

 

まったく同じことが、脱法ハーブ(脱法ドラッグ)にも言える。

 

物質に規制をかけたところで、新たな物質が登場するのだから、

いたちごっこなのは当たり前である。

早いところ“殺人ハーブ”に名前を変えて、

売っている輩も買っている輩も、即懲役。

 

このくらいのことをしない限り、この問題は解決に向かわないだろう。