シリコンバレー(サンノゼ・サンフランシスコ)訪問記②
シリコンバレーを歩いてみて驚いたのは、
日本車が多かったことだ。
俺が日本人だから特に、日本製の車に目がいったのかもしれないけど、
6割くらいは日本車だった気がするな!
車に関しては、やっぱり日本の存在感が際立っていた。
それから和食だな。
俺は基本的に、海外のメシ全般が苦手なので、
後輩にわがままを言って、日本食の店に連れて行ってもらった。
びっくりしたのは、日本食レストランの経営者が、
見事なまでに韓国人だらけだったことだ!
西海岸には、韓国人が多く居住しているみたいだから、そのせいかもしれないけど。
俺はメシを食いながら、韓国人は日本の文化が好きなんだなあと、しみじみ感じたよ。
なにより、日本食が金になるってことが分かっているんだろう。
それにしても、一品一品の値段がバカ高かった!
出し巻き卵が1200円、おにぎり二つで1000円もするんだぜ。
俺は、出し巻き卵やおにぎりの価値を、十分に認識した。
こんなにお高い店だけど、IT企業系のインテリ小金持ちの白人で、大盛況だった。
それからサンノゼからサンフランシスコまでは車で一時間くらいなんだけど、
寒暖の差が激しいことに驚いたな。
サンノゼでは半袖でも暑いくらいなのに、
サンフランシスコではコートが要るくらいだった。
これもアメリカの広大な土地に関係しているんだろうか。
とにかくいろんなものが面白くて、スケールのでかさに唸った旅だった。
俺もくさるほど金があったら、この地に移住したいなと思ったよ。
日本人がアメリカで仕事をして、生活をつづけることは、
ビザの問題もあるし、いろいろと大変だろう。
だけど、俺が今回出会った、この地で生きている日本人の人たちは、
ほんとうに熱意をもって、闘ってた。
みんな、生き生きしたいい顔をしていたな!
ただ一つだけ、気になることがあった。
後輩が仕事面でも生活面でもお世話になっている、日本人の親父さんのことだ。
親父さんは現地の会社をリタイアして、そのまま西海岸で暮らしている。
だけど少し前から「自宅が盗聴されている、誰かに監視されている」
って言い出したそうなんだ。
後輩から見ても、その親父さんが盗聴や監視やらされている様子はないから
「そんなことありませんよ」と言っているのだが、聞き入れないという。
後輩は、「すごく世話になった人だから」と、
親父さんの状態をとても心配していた。
俺は後輩に精神疾患についていろいろとアドバイスし、
「早い段階で医療につなげれば、大丈夫だからな」と告げた。
サンノゼ空港を発つときにも、
「親父さんの家族にも、病気の話をちゃんと伝えるように」と、俺は言い残した。
帰国後、俺は以前出演した「遅発性統合失調症」という番組のDVDを、
後輩に送ってやった。
後輩はすぐに、例の親父さんの家族にその映像を見せて、
「早く親父さんを医療につないであげてほしい」と懇願したそうだ。
だけど家族は、
「病気だということを本人に伝えると、家族関係が悪くなるかもしれない。
今は様子をみたい」
と言って、受け付けなかったそうだ。
俺は後輩に、
「親父さんは、お前のことは信頼しているのだから、
お前の魂から出る優しい気持ち、言葉があれば、
親父さんも病院にいこうと思うかもしれない。
時間がかかっても、諦めずに接していかなきゃだめだぞ!」
と強く言った。
後輩は「分かりました!」と答えたのだが、結局、家族の壁に阻まれて、
後輩は親父さんに会えないようになってしまった、という報告があった。
アメリカの地に住んでいる日本人でさえ、日本と同じような反応や対応を示す。
俺は改めて、日本人のカルチャー=DNAを思い知った。
親父さんは真面目な性格で、仕事もきちんとこなしていたらしい。
仕事をリタイアしたことで、寂しくなって、力が抜けてしまったのかもしれない。
あんなに素晴らしい環境で暮らしていて、経済的にも困っていないし、
悠々自適に残りの人生を謳歌できるはずだったのにな。
盗聴や監視に苦しんでいる親父さんを思って、俺は胸が痛くなった。
精神疾患は、日本特有の病気というわけではないけれど、
病気を隠したり、医療につなごうとしなかったりという風潮は、
日本特有のカルチャ=DNAではないだろうか。
俺はアメリカの精神科医療についても、
もっと実地で学んでみたいと思った。
とまあ、予想外の出来事もあったけれど、
なにかと収穫の多い、西海岸の旅だったよ!
明日は写真を山ほどアップするぜ!