俺の覚悟

当ブログだけでなく、フェイスブックやツイッターへも引き続き、

「テレビを観ました」「著書を読みました」、

「次回の『THE説得』はいつ放映ですか」などなど、

コメントをたくさんいただいています。

誠にありがとうございます!!

 

事務所宛てにも、たくさんの問い合わせをいただいているのだが、

俺の仕事のスタンスは、「一件、一件を丁寧に」と決めているので、

すべてのご依頼に応えることができず、誠に申し訳なく思う。

 

多少の反響があったからと言って喜んでいる場合ではない。

むしろ、己の力不足を感じる日々である。

 

できるだけ多くの家族が救われるためには、

より一層、社会に実情を訴え、仕組みを変えるしかないのだ。

 

しかし一方で、マスコミは、精神疾患に関することを

メディアで取り上げることに、あまり積極的ではないという現状がある。

昨今はとくに、企業コンプライアンスも非常に厳しく、

少しでも違反に問われそうな要素のあるものは、扱うことができない。

 

取り上げてくれたとしても、前回のブログで書いた週刊朝日の記事のように、

読者に誤った印象を与えてしまうものが、少なくない。

これは、記者をはじめとするマスコミ関係者が、精神保健福祉法や、

精神保健分野の現実を、正しく理解できていないことも原因の一つだろう。

 

取材が難しい側面もあり、マスコミ関係者でさえ

リアルな現場に足を踏み入れ、実態を目にする機会が少ないのだ。

 

TBSの水トク!「THE 説得」では、企画をあげてくれた局員、プロデューサー、

ディレクターをはじめ現場の制作陣が、その点を非常に汲んでくださった。

 

視聴者の方々に、精神保健分野の現実が分かりやすく伝わるよう、

また、現実に困っている家族の助けに少しでもなるようにと、

正しい情報をきちんと得るために、大粒の汗をかき幾度も取材を重ね、

精神保健福祉法や制度についても、かなり一生懸命、

詳細に至るまで、勉強してくださっていた。

 

そして、どうしたら視聴者に分かりやすく伝わるか? と頭をひねり、

放送ギリギリまで何度も編集に手を入れてくれた、と聞いている。

 

著書に関しても、この出版不況のご時勢に、無名の俺が本を出せたのは

十数年来の旧知の編集者が、頑張って企画を通してくれたからこそ、である。

 

正直言って、テレビにしても本にしても、

派手なところだけ切り取って、面白おかしく作る方法は、

いくらでもあるのである。

 

そのほうが、視聴率も取れるし、本も売れるだろう。

 

だけどそのやり方では、数字はとれても、こころには残らない。

まったく関係のない外野を面白がらせることはできても、

真剣に考えてくれるひとたちの胸は打たないだろうし、

そもそも本当に困っている家族を、助けることはできない。

 

だから俺は、俺自身の主義主張に関しては、

テレビ、そして出版関係者の方々に繰り返し伝え、議論もした。

 

その中で、彼らがしきりに言っていたのは、

「まずは押川という人間を通じて、ありのままの実態を取り上げ、

世に広く知ってもらうことが、スタートだ」ということだった。

 

そう思うほどに、彼らも取材を通じて、

ギリギリのところでSOSを発する家族、対象者の存在にこころを置き、

「この問題を何とかせな、あかん!」と、志を同じくしてくれたのだ。

 

その点では、俺の暑苦しさを超えるような「熱さ」を

彼ら制作陣から受け取ることができ、深く感謝している。

 

テレビや著書に目を通した方からは、

もう一度、家族で問題に向き合った結果、ほんの少しだが事態が前進した、

という感想もいくつかいただいていて、

このことに関しては、俺も本当にうれしく思う。

 

とはいえ、悲痛なSOSは限りなく寄せられ、解決の糸口は、未だ見出せていない。

社会的な理解、広がりがまだまだ小さいのは、

俺の力不足でもあり、俺が無名故の敗北でもある。

 

難易度の高い家族の問題ほど、行政機関や医療機関から相手にされず、

家庭の中で抱え込むしかない、という密室化が進んでいる。

事件が起きて初めて顕在化するのでは、あまりにも哀しい。

 

今回は、テレビ放映や著書出版という機会を通じて

最大限の応援をメディアからいただいた。

 

今度は俺が、頑張っていく番だ!!

 

まずは、魂を込めて書いた著書を、

できるだけ多くのひとの手にとってもらうこと。

 

そしてブログでできることも含めて、新たな展開も考えている。

時間はかかるかもしれないが、一つ一つ、

皆さんの応援を借りながら、一生懸命、やっていく覚悟だ!!

 

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Posted by 押川剛