日野の男性刺傷で逮捕の男は中3少年 「撃ってほしかった」

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(以下引用:産経新聞 3月3日)

 

日野の男性刺傷で逮捕の男は中3少年 「撃ってほしかった」

 

東京都日野市の路上で2月29日夜、男性が刃物で刺されて警察官が威嚇発砲するなどした事件で、警視庁日野署に公務執行妨害容疑で逮捕された男は、同市に住む中学3年の男子生徒(15)だったことが1日、警視庁少年事件課の調べで分かった。男子生徒は容疑を認め、「警察官を攻撃して拳銃で撃ってほしかった」と供述、同課は刑事責任能力についても慎重に判断する。

 

同課によると、被害者の男性(24)は右ももを刺されて重傷だが、命に別条はない。警察官の発砲によるけが人はいなかった。男子生徒は包丁のほか、縄に金具のついた「かぎ縄」を持っていたという。

 

男子生徒は同日午後9時ごろ、父親に「散歩に行く」と話して外出。同11時ごろ、男性を刃物で刺し、駆けつけたパトカーの窓ガラスを割って包丁を向けて警察官に近づいたため、警察官が威嚇発砲した。犯行当時は意味不明の叫び声を上げていたという。  男子生徒は対刀防護衣の上から警察官の脇腹を刺そうとしており、同課は警察官に対する殺人未遂容疑なども視野に捜査する。

 

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この事件については、少年が取り調べに対して

「父親を困らせて死のうと思った」と話している、

というニュースもあった。

 

 

少年がどういう環境におかれていたのかは分からないが、

家庭内(親子間)に何か問題があったのは明白である。

 

そもそも犯行当時、「意味不明の叫び声を上げていた」、

「(酔っているように)ふらふらしていた」という目撃証言からみて、

家族が本人の異変に気づいていなかったとは、考えにくい。

 

成人に関しては本人の意思が最大限に尊重されるため、

第三者が介入するハードルは高くなるが、

未成年、とくに小中学生であれば、親の姿勢一つで、

学校や児童相談所等の介入を得やすい。

 

こうなる前に、打つ手があったはずなのだ。

 

著書にも書いたことだが、最近は、

このような事件も日常化しつつある。

 

未成年の、とくに責任能力が問われるような事件では、

後追いの報道は、ほとんど行われない。

 

表面化した断片の事象から、誰かが薄っぺらい分析をし、

視聴者はそれを聞いて分かったような気になって、

事件そのものを、すぐに忘れてしまう。

そういうことが、延々と繰り返されている。

 

親の責任は大きいと、俺なんかは思うのだが、

それすら問われることもなくなってきた。

 

そういう子供を育てた親自身から、

「何でもかんでも親のせいにされても困ります」

と、逆にキレられる始末である。

 

家庭自体が無法地帯になれば、子供のやることにも容赦がなくなる。

家庭内で暴力をふるって親を困らせる以上に、

何をすれば、親を困らせられるか、苦しめられるか。

分かっていてやっているようなところがある。

 

家庭では受け止められなかった問題が、

通り魔のような形で、罪のない第三者を襲う。

 

今回の事件では、被害者の命に別状がなかったことが唯一の救いだが、

俺が常々、「他人事ではありませんよ」

「自分は関係ないと思わず、注意してくださいね」

と訴えているのは、こういうことも含まれるのだ。