猪突猛進

仕事で若いひとを使っていて、俺が思わず「こいつ天才だな!」

と、思ってしまう人間の特徴。

それは、「猪突猛進」ってやつである。

 

自分が「こうじゃないか?」と思ったら、

そこに向かって、ガガガッと突き進んでいく。

その姿は、まさに獣のようである。

 

普通は20代ともなると、「間違っていたら嫌だな」とか

「他のひとはどう思うかな」とかいう

見栄や世間体みたいな部分が出てくるものだ。

 

しかしそれらをものともせず、「絶対こうだ!」

「私はこう思う!」という強い信念をもって突き進めるのは

一種の才能であると、俺は思う。

 

その分、常に○か×かの瀬戸際にいるので

上の立場の俺としては、「突っ走りすぎるなよ」

「思い込みすぎるなよ」と、手綱をしっかり握ってやらねばならない。

相手はアドレナリンが出まくっているので、

俺もその何十倍のアドレナリンを出しまくり、

脳みそをくるくる回転させて対応するってわけだ。

 

ホント、ひとつ仕事をするのに、

武豊になって有馬記念を走った!!

くらいの疲労感がある……ような気がする(笑)

 

だが、そういう才能をもつ若い奴が、

失敗や成功の経験を重ね、いい感じのバランス感覚を身につけたときには

とても面白い存在になっているのではないかと、期待する。

 

もう一つ言っておくと、この手のタイプは、

幼少期~学生時代には、なかなかその能力を認めてもらえない。

むしろ「輪を乱す」「扱いにくい」などといって、敬遠されがちだ。

今の時代なら、発達障害云々の病名などを、

簡単につけられてしまうかもしれない。

 

しかし俺は言っておきたい。

そういう人物こそ、得がたい才能を持っている。

周囲の大人は覚悟を決めて、手綱をしっかりにぎって

一緒に突っ走るしかないのだ!!