レンタルフレンド

なかなか興味深いニュースが出ていた。

彼女・友人をレンタル、心を満たす 食事やおしゃべり…

【泗水康信】行きたい店があるけど、一人では心細い。誰かに話を聞いてほしい。でも、相手がいない。そんな人たちの心のすき間を埋めようと、「レンタルフレンド」と呼ばれるサービスが生まれている。

■11時間4万円超

9月8日、東京五輪の決定で日本中が沸いていた。

男性は北関東の自宅から車を都心に向けた。35歳、独身。月1回の「ささやかな楽しみ」が始まる。

午前11時、東京・原宿の洋服店前。待ち合わせはいつもこの場所、この時間だ。待っていた女性を連れて秋葉原へ。

自分がプロレス好きと知った女性が店を探してくれ、一緒に覆面マスクやTシャツを見て回る。恥ずかしくて名前は呼べない。それでも、気づくと身の回りの心配事を口にしていた。

「母ちゃんが入院しちゃって」

「そうなんですか、心配ですね」

昼ご飯はカレー。店を巡り、最後に寄った美術館を出ると、どしゃ降りの雨だった。女性がぬれないように傘を傾けた。

午後7時、お別れの時間。財布から取り出した3万1千円を渡して帰路に就いた。

この女性は「レンタルフレンド」。「女性だけの便利屋」として東日本を中心に展開する「クライアントパートナーズ」(本店・東京)のスタッフの一人だ。

男性が同社に電話をかけたのは昨年春。交際相手から一昨年、別れ話を切り出された。あきらめきれず、繰り返し電話をかけ、家を訪ねた。警察からも注意を受けた。「このままじゃ捕まる」。悩んでいたころテレビで同社を知った。

「サービスを利用し始めて変わった。ビリヤードやダーツも初めて経験し、公園でキャッチボールも。別れた相手を考える時間が減っていった」

朝6時半に起き、工場で機械と向かい合う。午後8時ごろ帰宅し、寝るだけ。人付き合いが苦手で、酒も飲めない。そんな日々に変化が生まれた。

横浜の観光地をめぐった時は11時間、一緒にいてもらった。支払いは4万円を超えた。

お金を払って相手をしてもらうことに最初は抵抗もあった。「でも、いろんな所に行って悩みを聞いてもらうと嫌なことを忘れられる。これでいいと思うようになった」。職場で「最近怒らないな」と言われるようになったという。

引用:朝日新聞デジタル(2013年10月27日)

 

これってつまり、警察から警告を受けるほどのストーカーをやってた男性が、このサービスを利用して改心できたってことだろ? いやあ、これはスゴイ。

 

先月も三鷹で女子校生が殺されてしまった事件があったけど、ストーカーの問題については今、警察庁・厚労省・法務省の三つが、加害者に精神科の治療を受けさせようという方向で、取り組みはじめたところだ。

だけどどんなに税金を使ってそういった取り組みをしようと、加害者側の治療となると、結局は本人が病識をもって、自ら受診するという姿勢がないと、治療効果もあがらない。

 

だからこそ、俺はこのサービスに感嘆したね!

男性は、財布と相談しながらこのサービスを利用しているようだが、結果的にストーカー行為という犯罪の抑止にもなっているのだから、むしろ4万は安すぎるくらいに、俺には思える。

職場で「最近怒らないな」と言われるようにまでなったなんて、専門家でさえ、これほどの治療実績をあげるのは難しいんじゃないか? まあでも考えてみたら、精神科医やその他のカウンセリングより、女の子とデートするほうが、絶対楽しいよな。

 

人間が、ストーカーみたいな動物的欲求に走るのって、やっぱり寂しさを埋めたいからだと思うんだよ。その寂しさの部分を、精神保健分野の専門家が「治療」という形でなんとかしようと思っても、そこには限界がある。そもそも専門家自身に、限界設定があるからね。

こういう成功例があるんだから、国は、やり方を取り入れるなり、サービスを提供している民間業者と提携を結ぶなり、すればいいのにと思うよね。人の命がかかっている問題なんだから、いろいろな可能性を模索すべきだ。だけど国とか専門機関は、絶対に民間のサービスの存在を認めないんだよな。彼らの沽券に関わるからかな?

 

とにかく俺は、この記事の内容に感動した! こうやって自力で人生を立て直した男性も素晴らしいし、この会社も、素晴らしいビジネスを捻り出したと思う。

しかしまあ、金をしこたま貯め込んだり、胃袋や下半身を満たしても、心が満たされなければ、人はあかん! ということを、再認識させられる記事でもあるな。