毒親、毒母

少し前になるが、「毒親」や「毒母」について、

子供(といってももう大人だが)が体験をつづった書籍の発売が、

相次いでいるという記事を目にした。

 

こういうことを正面切って言える時代になったんだなあと、

感慨深い気持ちで、その記事を読んだ。

 

「毒親」と言われるのはおもに母親で、

体験談を公表しているのも、ほとんどが女性であるところが、また興味深い。

男(父親)の存在意義を、考えさせられるな。

 

「過保護」という言葉があるが、

俺は「過保護」自体は、母性のあらわれだと思っている。

 

大きな災害も続いているし、いつ何時、

子供が危険な目に遭うか分からない時代である。

「子供を守りたい」と母親が強く思うことは、

(また多少、過剰な行動に出てしまうことは)致し方ないことである。

 

しかしそこに、自分自身の心配や不安、

はたまた女としての見栄や欲求……すなわち「野心」が乗っかってしまったとき、

それはたちまち、「過干渉」や単なる「縛り」となり、

子供のこころを壊すことになる。

 

女性が野心を持つことを、否定したいわけではない。

どうしようもないほどの強い野心があるなら、

仕事に邁進すればいいじゃないか、と思うだけである。

 

俺が見てきた限り、子供が壊れるところの母親ってのは、

希望する仕事に就けない、働くのがきつい、思ったように稼げない……

そんな理由で結婚に逃げ、夫や子供を使って野心を果たそうとしたケースが、けっこうある。

 

母親の野心は、家族を崩壊させるほどの破壊力を持っているのだ。

 

俺から言わせれば、野心家の母親こそ、毒親であり、毒母である。