家族の動機

相談を受けていて、家族の「動機」が見えないことがある。

一応、「子供が病気だから医療につないでほしい」とか、「なんとかして子供を助けたい」とは言っている。でも話を聞けば聞くほど、家族の本当の動機は、どこか別のところにあるような気がしてならない。

そういうときは、家族の本気度を試させてもらう。

すべての負を背負っても、子供を助けたいと思うのか? 子供をなんとかするために、親が悪者になる覚悟があるのか? 子供の犯罪行為や、家族の黒い部分が晒されるかもしれない。それでもいいのか? 

そういうやりとりを何度か重ねるうちに、すごすごと退散していく家族がほとんどだ。

その家族はもしかしたら、今後もほかの相談機関に行って、「押川って奴にも相談したけど、できないって言われた」と、言ってまわるかもしれない。

しかし俺は、もう答えは出ているじゃないか、と思うのである。