現場の人間は「心のシマ」を増やすしかないのだ!

俺は、働くということの経歴を警備業から始め、

一時は会社を百人以上の従業員を抱えるまでに大きくしたが、

そのうちに、あることに気づいた。

 

それは、警備業という仕事には、どうしたって

「シマ」という限界がつきまとう、ということだ。

 

警備業(ひいては建設業界)は、強烈な縦割り社会である。

会社を成長させようと思っても、上へはなかなか食い込めない。

あるのは、同列のところでの「シマ」の奪い合いだ。

 

この現実に気づいたとき、俺は正直、頭打ちになった。

進化成長することが生きがいの俺みたいな人間にとっては、

最初から勝負付けが決まっているようで、

ちっとも面白みを感じなかったのだ。

 

そんなときに、ある人生の先輩から、

“「心のシマ」を増やしなさい”

ということを教えてもらった。

 

「心のシマ」とは、他人様のこころに、

己の存在をおいてもらうことである。

 

「心のシマ」には限界がない。

俺の目から、ウロコがぽろっと落ちた。

 

それから俺は、どうやって「心のシマ」を増やすか、

一生懸命に考え、実行するようになった。

精神障害者移送サービスも、その一つだ。

 

金やら小手先のテクニックではできないことだった。

結局は、己の「こころ」一つにかかっているのだ。

 

精神障害者移送サービスを始めて以来、

テレビの仕事なんかも舞い込むようになり、仕事の幅は広がった。

しかし結局、俺にできること、やれることは、現場にしかない。

 

そして現場でやらなければいけないことと言えば、

命と体を張って「心のシマ」を増やすこと。

どこまで行っても、そこからは逃れられないのだ。

 

これについては、まだまだ書きたいことがあるのだが、

長くなってきたので、また明日にする!