俺が唸った! 名言 その13
「アイデアいっぱいの人は決して深刻にはならない」
(フランスの詩人、ポール・ヴァレリー)
最初に断っておくけど、俺は、
ポール・ヴァレリーさんの詩集を読むような高尚な人間ではない。
なのでこの名言は、何かの拍子にインターネットで読んだだけなんだけど(笑)
非常に本質を突いている言葉だと思う。
「暗記が得意=頭がいい」とはならない、ってのは
俺が常々思っていることなのだが、最近はさらに
「学ぶこと」と「考えること」は別物ではないか!?
と思うようになった。
たとえば、大学や大学院で専門的な学問を学び、良い成績をおさめ、
卒業後は、その専門に関わる職業に就いているひとがいる。
就職後も、書物や文献を読んだり、専門家の話を聞いたりして、
新しい知識を取り入れて、「学び」つづけている。
それほどのひとなのに、
仕事で何か素晴らしい成果を挙げているかと言われると、
そうでもなかったりする。
あるいはプライベートで問題を抱えていて、自覚もしているのに
何年も解決できていなかったりする。
こういう事例を目にするたびに俺は、
「学ぶこと」が、そのまま金を稼ぐ力になったり、
困難を突破する力に変わったりするわけではないんだな、
と思うようになった。
もちろん、とても熱心に「学んで」いるから、
会えば、専門家も顔負けの理論や分析を、
それこそ専門用語たっぷりに聞かせてくれる。
俺も「へええ!」と感心して話を聞くんだけど、
いつも一点だけ、言いたいことがある。
「リアルじゃねーんだよな!」
なんていうか、どこか上っ面というか、
そのひとのオリジナルって感じがしないのだ。
その証拠に、「じゃあ、この難問どうするの?」と
現実の問題を突きつけられたときには、
アイデアも考えも出てこないし、行動力も伴わない。
俺の単細胞な脳みそで、この事態を変換すると、
「このひと、学ぶことは好きでも、
考えることは好きじゃねーんだな」となっちゃう。
学ぶことと違って、考えることって、守備範囲も広くなる。
だいたい俺の恩師の唐木先生もそうだったけど、
本当にスーパー頭のいいひとってのは、
どんな分野の疑問にも、本質を突いた答えを返してきて、
もはや「専門分野」なんて関係ないって感じなのだ。
もちろん彼らが天才だからってのもあるけど、
それでもなお、365日休むことなく脳みそに汗をかいて、
多角的に、考えて、考えて、考え抜いている。
それに比べると俺たち凡人は、
もともとの脳みそサイズが小さい以上、
それを補完できるのは、「経験」でしかない。
ひと様が目を背けるような現実に飛び込んで、
真剣に向き合うことで、最先端の真実が見える。
危なっかしいヤバい領域に踏み込むからこそ、
一生懸命考えもするし、アイデアも出てくる。
逆に言えば、そこまで自分を追い込まないと
真剣に考えたり、すごいアイデアが出たりしないのが、
凡人の実態ではないかと思うのだ。
そういう意味では、子供を塾だのお受験だの
素晴らしく整った「学び」の環境におくことばかり考えるのではなく、
外遊びや広範囲の友達付き合いもさせて、
たまには冷や汗かくような「経験」もさせておかないと、まずいのではなかろうか。
じゃないとアイデアなしの大人になって、
年を食うほど、深刻になっていくぜ!!