年の瀬のご挨拶 2017

ツイッターでもできるだけとりあげてきたが、今年も毎日のように親族間の事件があった。今年の警察庁の発表では、2106年の親族間における殺人事件(未遂も含む)は全体の55%だった。今年(2017年)はもっと増えているのではないか。来年の夏頃には警察庁からの発表があるはずなので、それを待ちたいと思う。

 

俺は今年も、例年と変わらず、命ギリギリの状態にある家族と向き合ってきた。その中でずっと考えていたことは、世の中が進化し、便利になればなるほど、人間は“命”に対してさえ万能感をもつようになるのではないか、ということだ。

今年の事件でいえば、寝屋川の監禁事件も、座間市9遺体遺棄事件も、それを表していたように思う。

 

子育て(子作り)も、自然の営みというよりは、欲求の象徴になってしまっている。たいした覚悟もなく子供を産み、社会のルールではなく、親の都合(欲求)に沿って子育てをする。そんな育てられ方をした子供が、理性や忍耐といった力を身につけることは難しい。そのまま成長すれば、親だけでなく、専門家でさえ手のつけられないモンスターとなる。

 

命という授かりものに対して、我々はもっと畏れを抱くべきではないだろうか。便利さや手軽さに流されて、もっとも大切なことを失ってしまってはいけない。そんなことを強く考えた一年だった。

 

来年はさらに発信に力を入れていきたい。1月9日にはコミックスの第2巻が刊行される。「子供部屋に入れない親たち」リニューアル版も出す予定だ。新書の執筆も幾つか声をかけていただいているので、頑張りたい。

 

今年も一年、ありがとうございました。良いお年をお迎えください。

 

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Posted by 押川剛