唸りまくった!評論家レビュー!! コミックスご購入の皆様にもぜひ読んでいただきたい!

評論家の加山竜司先生が、コミックス第2巻のレビューを書いてくださった。

ひきこもりの実態を描く『「子供を殺してください」という親たち』2巻

ちなみに加山さんは、1巻についてもレビューを書いてくださっている。

『「子供を殺してください」という親たち』に見る、家族の問題点

 

加山さんの読みは、真っ芯を食っている!!

大変僭越だが、加山さんは漫画読みのプロフェッショナルだ! レビューを読み進めながら、俺は説得の現場にいるくらいの緊張を感じ集中した。筆力も凄い。素直に唸り、驚嘆してしまった!!

 

制作の“ウラ話”的な話になるが、一つのケースにおいて、俺が原作者として鈴木マサカズ先生に提供している材料は、かなり膨大な量だ。それをどう取捨選択して物語に練り上げるかは、鈴木さんの手腕と担当編集者岩坂さんの判断に委ねている。

原作者として唯一譲れないと考えているのは、描写やセリフにおける、真実に即したリアリティだ。そのこだわりゆえに、鈴木さんに無理を言って絵やセリフを書き直してもらったことも何度もある。たとえば、加山さんは、【ケース4】の卓也の服装について、パーカーのフードの紐が抜かれていることを指摘しているのだが、実はこの箇所も、まさに俺のこだわりの象徴である。

 

加山さんのレビューにこんな一文がある。

主人公・押川の仕事は、対象者を“医療につなげる”こと。
「母と娘の壊れた生活」ではつなげることの難しさを、「親を許さない子供たち」ではつなげたあとの問題(医者の問題)を描く。
本作はこうしたステップの踏み方が抜群にうまい。読者に提供すべき情報の取捨選択が巧みで、読者を一定の理解度まで導く構成力が秀でている。

 

これができているのは、俺と鈴木さんの立場の違いがあるからこそだ。

俺と鈴木さんは、立場でいえばブラジルと日本くらい離れている。漫画化の話がなければ、一生、出会うことのなかった方だろう。だが、“現場の最前線を知り尽くしている俺”と、“漫画の最前線を知り尽くしている鈴木さん”という双方がいるからこそ、重く難しくなりがちなファクトを、物語として昇華させ、読者に提供できている。

 

今回漫画に携わって初めて知ったのだが、今やコミックスは毎月、星の数ほど出版されていて、読者の目も肥えている。作品が成就され、巻を重ねていくことは、並大抵のことではない。売れなければ即刻打ち切り。漫画業界は凄まじく鎬を削る世界となっているのだ。

漫画家や編集者には、知性・創造力・胆力など、総合的な人間力が問われる。加山さんのようなプロの漫画読みの方から驚愕のレビューを引き出したのは、まぎれもなく鈴木さんと岩坂さんの力量だ。

 

俺は長年、メンタルヘルスと家族の問題について訴えてきたが、社会に周知することの難しさも痛感している。だが漫画は、気軽に手に取れるものだからこそ、じわじわと広がり浸透していく力をもっている。鈴木さん岩坂さんの力を借りながら、この問題が社会の問題として広がり、国を挙げて議論されるよう執念で頑張り抜いていく。

加山さんのレビューによって、改めて“覚悟”を決めることができた! 加山さん、誠にありがとうございます! 大変厚かましいお願いですが(大笑)、3巻のレビューもよろしくお願いします!!!