未来志向の七光り(レインボー)

 

「親の七光り」という言葉があるが、この七光りのスポットライトがパチッとあてはまる人は、本当にごく少数である。たとえば代々の政治家とか、巨大なファミリー企業とか、そういう家に生まれて、なおかつ本人の資質もあって努力もできる。そういう人だけが、七光りのスポットライトを浴びることができる。

 

しかし世の中には、とくに俺のところに相談にくる中には、そういった地盤がないにも関わらず、親の威光をまき散らかし、なんとか子供に七光りを浴びせようとしている親が少なくない。

 

ちょっとした財産をもとに「うちはすごい家なんだ」と吹聴したり、「金はあるぞ」と見せつけたり。それもないとなると、今度は子供に「学歴をつけろ」「大企業に就職しろ」と押しつける。親にしてみれば、それが七光りになると思っているのだ。

 

しかし、七光りなんてしょせん後ろからの光であって、自分では見えないし、目の前を照らしてくれるわけでもない。それよりも自分で自分の目の前に、「未来志向の七光り」を見いだせるかが重要なのではないだろうか。

 

たとえば、新しい発明や発見をしたり、誰も思いつかないようなアイデアを思いついたりしたときには、目の前がパーッと明るくなる。つまりこの七光りは、後ろからの光ではない。七色のレインボーである。

 

「子供の死を祈る親たち」では、「オール3」の子供について書いたが、俺は「オール3」の子供が一番、楽しいレインボーを見つけられるんじゃないかと思っている。「オール3」の子供って意外とバランスが良いし、気取らないから、アイデアもいっぱいわいてくる。あっちこっちに興味を持つのも「オール3」ならではだが、子供のうちはそれで良いと思う。

 

何もアイデアが浮かばないというなら、他人がやりたがらないこと、皆が嫌がることをやってみればいい。それだけで感謝してもらえるし、光が差してくる。それにそういう仕事を「レインボーだ!」って楽しくやっている人がいたら、みんなが話を聞きたがるようになる。俺なんかは、まさにそれでやってきた。自分なりの、未来志向のレインボーを見ている人間には、誰も文句を言わなくなるのである。