人脈しかない

以前、人間的・経済的、健康的にもゆたかに生きている方に、その秘訣を聞いたところ「人脈しかない」と返ってきた。その方のいう「人脈」とは、著名人や権力者とつながっているという意味ではない。純粋に、どれだけ「人」を大切にし、真剣に「人」と向き合ってきたか、ということだった。

 

「ただし」とその方は言った。「バカは相手にしない」と。だから俺は尋ねた。「私も大学中退のバカですけど、どうして相手をしてくれるのですか」。「押川さんはバカじゃないわよ。自分がバカだって分かっているからね」。禅問答のようだが、そういうことだ。

 

思うに、困難に陥ったときに「誰も助けてくれない」「誰も自分の話を聞いてくれない」ことがあるとすれば、それは「誰のことも助けてこなかった」「誰の話も真剣に聞いてこなかった」ということになりはしないか。

 

俺なりの「人脈」のシンプルな答えだ。